そのため並外れた時計であると同時に、挑戦的な時計でもあるのだ。技術面において多くの現代的な解決策を採用している。1885年製のリピーター懐中時計で穴あきチタンケースのようなものは、まず見当たらないわけだ。
ブルガリ オクト フィニッシモ スケルトン 限定200本 BGO40TLXTSK/LE
カテゴリブルガリ オクト(新品)
型番BGO40TLXTSK/LE
機械手巻き
材質名チタン
ブレス・ストラップストラップ
タイプメンズ
カラーグレー/ブルー
文字盤特徴スケルトン
外装特徴シースルーバック
ケースサイズ40.0×40.0mm
機能パワーインジケーター
ラテン語で8を意味する「オクト」。
8という数字は古今東西の文明でも特別な数字でした。数学者にとっては無限大、中国の易経では宇宙全体を、日本では縁起の良い数字として。
ブルガリは八角形と円の調和をモチーフにこのモデルをデザインすることで、カリスマ性、個性、パワフルなスタイルを表現しました。その大胆でありながらも繊細なフォルムは、何世紀にも亘って培われてきた不朽の価値を教えてくれます。
こちらはスケルトン仕様の【オクト フィニッシモ スケルトン】で、スモールセコンドとパワーリザーブインジケーター機能を搭載します。軽量で耐傷性にも優れたチタン素材のためオン・オフ問わずお使い頂けるモデルです。
プレートやブリッジはモダンなデザインで仕上げられているが、リピーター機構をはじめとするスティール部品は非常に伝統的な仕上げが施されている。リピーターのハンマーは、ダイヤモンドペーストを塗布した亜鉛板でブラックポリッシュされ、光の当たり方によって白、黒、グレーに見える完璧な平面を作り出している。
つまり、非常に伝統的な複雑機構を、仕上げに関しては非常に古典的な手法を用いて、しかし現代的なレイアウトで意図的にアバンギャルドな(と呼んでもよいと思うが)ケースデザインで実現させたということである。こうしたものがうまくいったか感じるかどうかは、まぁ、自分が思うかどうかにかかっているだろう。伝統的な包丁さばき、ソース、そしてエスコフィエまではいかないまでも、ヌーベル・キュイジーヌからフェルナン・ポワンに至る明確な系譜を持つレシピなど、フランスの古典的な高級料理の技術に基づいた料理を提供するレストランを少し連想させる。高級レストランかくあるべしという、ファイン・ダイニングのステレオタイプに対して意図的にデザインされたような雰囲気を持っているのが、この時計なのだ。
私はめったに豪華なフレンチレストランに行かないので、白いテーブルクロス、バッグ用のフットスツールなどを使う習慣を身につけたいと思う(それにテーブルサイドでなにかが燃やされていれば、さらに素晴らしいだろう)。しかし、一方でそのようなことが見え透いていてで少し圧迫感さえあることも理解できる。
この時計は、ローズゴールドのラウンドケースにグラン・フー エナメルの文字盤、そしてリピーターのプッシャー以外にその複雑さ語るものはなにもないのだという姿でも登場できたかもしれない。だが、そうはしなかった本機は、リピーターという概念で可能なことを拡張しているように見える。最近のチャイミングコンプリケーションには、奇抜なデザインは求められていない。しかし、このモデルは、シリアスなコンプリケーションをいかにシリアスにしないか、ブルガリならではのアプローチで表現されているのだ。