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時計製造における"世界記録"の裏事情

"世界記録の話に入る前に、“史上初”の扱いについてひと言。""史上初""というのは地雷原のようなものだ。時計製造の問題点は、多くの場合、非常にゆっくりと物事が進む分野であるということだ。神が小さな青りんごを作ったように、あることを最初に切り拓いたブランドであると大々的に宣伝しても、その半年後には、誰かが50年前の同じものをジュウ渓谷にある祖父の代のタンスの引き出しから引っ張り出してきて、あと戻りしなければならない(少なくとも、そのことについては黙って、“史上初”はなかったことにしなければならない)可能性があるからだ。

世界記録はさらに厄介だ。世界最薄記録の時計を見れば、この言葉がどれほど曖昧なものであるかが理解できるだろう。

オーデマ ピゲ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ 26396OR.OO.D002CR.02 フライング トゥールビヨン

26396OR.OO.D002CR.02
・ケース:
 18Kピンクゴールドケース
 両面反射防止加工サファイアクリスタルガラス製風防とケースバック
・ケース幅:41 mm
・防水性:30 m
・ケースの厚さ:11.8 mm
・文字盤:
 ブラックアベンチュリン エナメルダイヤル
 18Kピンクゴールドのアプライドアワーマーカーと針
 ブラックラッカーインナーベゼル
・ブレスレット:
 ハンドステッチ
 「大きな竹班」入りブラックアリゲーターストラップ
 18KピンクゴールドAPフォールディングバックル

キャリバー
・自社製自動巻き キャリバー 2950
・バランスホイールの振動数:3 Hz (21,600 振動/時)

18Kピンクゴールドのケースに、星空を思わせるブラックアヴェンチュリンエナメルダイヤルを備えた自動巻きフライングトゥールビヨン。6時位置のフライング トゥールビヨンのキャリッジが繊細なピンクゴールドカラーに光ります。極薄のベゼルのカーブにぴったりと添った複雑なダブルカーブのサファイアクリスタルが、ダイヤルの夜空を魅惑的にきらめかせます。サファイアケースバックから見ることができるオープンワークの回転錘は、ケースのカラーとマッチした22Kピンクゴールドです。アヴェンチュリンダイヤルの夢のような美しさと優れたコンプリケーションが融合した名品です。

まず、超薄型ムーブメント、それも世界最薄記録を保持するムーブメントを、結果として世界最薄記録を達成していない時計ケースに搭載することがあり得る。例えば、オーデマ ピゲのCal.2120/21は、2120(デイト表示なし)が発売された1967年以来、世界最薄のセンターローター式自動巻きムーブメントを名乗っているが、このムーブメントは、時計史上最薄記録や、そのカテゴリーでの世界最薄記録を保持していない多くの時計ケースにも採用されているのが実情だ。


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